2020-10-17 2020年第1回おしゃべり会について

10月17日(土)13:30~15:00
於:阿佐ヶ谷地域区民センター 第6集会室

参加者:月森先生と会員11名
(小学生・中学生・高校生の親 社会人の親)

 コロナ対策として、定員46名の広い部屋を使用。消毒液で会場清掃、窓・ドアを開けての換気、参加者のマスク着用と手指の消毒の上開催しました。
二つのグループに分かれて自由に話し合いをする中で、年少者から問題提起、年長者から経験談等を話しました。

話題の内容
・社会人の給料・生活・年金の話
・高校進学・大学、専門学校への進学について
   大学と専門学校の違い
   学校見学の仕方について
学校による支援の中身、入学後問題となる点等(大学における履修登録、教養科目の疑問や問題など
・医療について
   睡眠の問題(睡眠障害の子供が多く、本人や親の努力では解決できないことも)
薬の問題
・時間をかけてよいのでは。いつからでもやり直せる。
・親の覚悟は必要
・その子の成長のタイムスケジュールを尊重
・コロナで生活リズムに変化があり、特に今春進学された学生さんは大きな影響を受けた。
・性教育について、男の子に母親はどう伝えれば良いかなど

他にも多岐に渡り、尽きない話で時間を超過しての会となりました。

雑記:
就労支援の大きな枠で生活支援も含まれればと。
→未成年のデーケアーは少しずつ進んでいるようですが成人はまだのようですね。

2018-09-22 講演会「発達障害のある人の就労とその継続のために必要な力とは」について

2018年9月22日13時から、高井戸区民センターにおいて、「発達障害のある人の就労とその継続のために必要な力とは」という内容で、講演が行われました。以下はその内容です。

障害者雇用について、雇う立場から

清水 直輝さん (ソランピュア株式会社事業推進部長)


就労するためには、雇用される人が、「しなやかに」、「したたかに」適応していくことが重要。会社は利益を出さなければならないため、 会社の理念や方針に従っていく必要がある。しかし、それだけではなく、自分にとって重要な希望(たとえば給与)をしっかり持つといった、自分を曲げない「したたかさ」も必要である。就労すると身の回りの日常が「がらり」と変わる。集団に属することになるため、会社のルールに縛られる。また、人間関係(家庭や学校ではない関係)も変わる。

a) 就労のために

就職直前から採用時においては、自分の状況や特徴をよく知ることわかることが大事。第三者(家族・支援者・活動グループ)の意見を参考にするとよい。また、出来ないことを把握するのも大事。つまり、自分を理解していることが就労のキーワードである。
会社の要求と自分の要求の調和を考える事が必要。自分にその会社が合っているか、生活に安定感はあるか(睡眠、食事、余暇など)も重要。問題が起こる原因になる。

b) 就労後の定着期において

  1. 働き続ける体作り
    勤怠の安定(身体的):生活リズムの安定、医療機関や服薬の継続性
    働く意欲の継続(精神的):企業での存在意義を感じているかなど。
  2. 環境変化へのレジリエンス強化 (レジリエンス=耐性)
    会社での仕事は、必ず環境の変化(仕事内容 所属が変わる事や、上司同僚の異動や部下ができる他)がある。これを乗り越えるために、レジリエンスを高める行動が必要 悩みを溜めない そのための工夫が重要。

c) 本人を取り巻く「人」の問題

家族関係→強固になりすぎると本人にとっての障害となる。【例】お父さんの言うことだけ聞く
家族が見ていない世界にさらすことで力を付けていく→企業に入るときに有効にはたらく
第三者=支援者を使いこなしていくとよい。最大の支援者=ピア発達障害(当事者同士で)

杉並区における障害者雇用支援について

茂木 幹雄さん(杉並区障害者雇用支援センター センター長)


就労支援のサービスについて

  1. 障害者就労支援センター
    どなたでも利用でき無料。障害のある方の就労相談全般に対応。これから就労したい方職場定着支援希望の方が多い。
  2. 就労移行支援事業
    障害者総合支援法に基づく事業で、就労を目指す方が福祉サービスの支給決定を受けることにより利用可能となる。原則2年。
  3. 杉並区就労支援センター
    杉並区独自のサービス。区からの委託。障害の有無を問わず就労相談やセミナーの実施をしている。30代くらいまでが対象。

なお、ワークサポート杉並は、上記1)、2)の両方の事業を担っている。「杉並区障害者雇用支援センター」は2)の呼称。

コミュニテイ心理学に基づいた発達障害者への心理社会的アプローチ

中村 干城さん(杉並区発達障害支援チーフコーディネーター / 式場隆三記念クリニック)


杉並区では成人期発達障害者支援事業として、
1) 健康支援プログラム(保健センター担当) 2) 心理教育プログラム(保健予防課担当) 3) 職業準備プログラム(障害者生活支援課担当) 4) 余暇支援プログラム(障害者施策課)を用意している。
社会的コミュニケーションについて コミュケーションの障害:大人の場合は語用論 語用論=文脈を踏まえて言葉を運用する能力【例】〇彼は仕事でミスするけど優しい。△彼は優しいけど仕事でミスする。どちらが適切か?
就労に向かって取り組む事は、話し合いの場にのれる練習をすると、支援がうけやすい。また、障害の内容を把握しておく事が重要。生活障害があっても具体的な内容が違う。【例】時間にルーズ:こだわりが強いVS時間の概念が弱い

質疑応答

  • Q:自分を知ると言うことは自閉スペクトラム症の人は難しい。(清水部長へ)
    A:困難であることを共有することが大事。第三者からの意見をいかに取り入れていくか、それを言語化していくことが自己を知ることになるのではないか。第三者や自分の言いたいことを書いていくようなことをやっていくとよい。
  • Q:話し合いの場に入れるスキルが大事と言うことだが、家庭で語用論を高めるためのヒントはあるか?(中村コーディネーターへ)
    A:一旦外に出してみる事は大事、支援者に客観的に特性を見てもらうのがよいのでは。家族が気づいていないということに気がつく事が大事。対処療法を求める事が多いが、原因を探る 対策する方が大事。

2016-07-03 成人期発達障害者支援プログラム説明会を開催しました

 2016年7月3日(日)14:00~16:00 阿佐ヶ谷地域区民センターにおいて、知的な障害のない発達障害者への杉並区の支援プログラムについて、区で担当されている方3名からお話しを伺いました。
 当日は気温が35度の暑さにもかかわらず部屋は満室で、先生・会員と非会員を合わせ39名の参加者がありました。

1) 最初に、保健福祉部障害者施策課の目黒様から本事業開始の経緯について、プログラムの概要の説明をいただきました。区として独自のアセスメントシートを作成し本人の状態を知り、支援を行い半年ごとに見直していくとのことでした。
2) 続いて、成人期発達障害支援事業の現場に携わっているグループワーカー中村様からプログラムの詳細について説明いただきました。
 最近の発達障害を取り巻く状況として、障害者権利条約の批准 診断基準の改訂 発達障害者支援法の改訂があり支援が進められているとのお話の後、本事業の詳細ということで、健康教育プログラム 心理教育プログラム 職業準備プログラム、余暇支援プログラムそれぞれについての説明がありました。
 これらは別々のものでは無く、みな繋がって包括的支援システムとなっていること、就労を強く意識したグループワークである点に特徴があるそうです。 
 最終的な目標は、余暇活動の実践を通してコミュニティと繋がり社会的適合度合いを増やすことであるとの説明もありました。
 尚、グループワークに乗れない方に対しては、個別の相談や他の関係機関を案内する支援もしています。
3) 最後に、杉並保健所保健予防課の郷様から、それぞれのプログラムの相談窓口の紹介があり、相談によってご本人に合うプログラムを紹介するので、必要な方は相談して下さい、とご案内がありました。

 ※相談窓口のご案内
 【健康教育プログラム】 住んでいる地域を担当する各保健センター
 【心理教育プログラム】 杉並保健所保健予防課 電話:03-3391-1025
 【職業準備プログラム】 杉並保健所保健予防課 電話:03-3391-1025

 ※健康相談・発達障害専門相談もある
 【心の健康相談】 各保健センター
【発達障害専門相談】スマイル高円寺 電話:03-5306-6381(アウトリーチもあり)

2015-11-07【家庭教育講座】進路の勉強会を開催しました

2015年11月7日 13時から、細田工務店 杉並リボン館大会議室において、
【家庭教育講座】進路の勉強会 を開催しました。
 
119名と大変多くの方々にご参加いただきました。定員を超えてしまったため
ご参加いただけなかった方には申し訳ありませんでした。

以下、簡単ではありますが内容のご報告をいたします。

講演(1) 高校への進路選択
~中学校通級指導学級の立場から~
講師: ひがした学級 担当教諭 土屋充子先生

通常学級、通級学級両方での指導を経験されてきた土屋先生から、
ご自身の進路選択のお話しから始まり、より具体的な情報も交えな
がら、子供にとってどんな力を身に着けることが必要なのかまで、
示唆に富むお話をいただいた。

概要
・中学校全体として、また通級学級としての進路指導
・実際の進路の選択肢や進路あるいは学校種別における特徴
・入試制度のあらまし
・保護者の役割や心得
・生徒自身にとって必要となる力や課題など

講演(2) 進路に向けて小・中学校時代に何を準備したらよいか

講師: 済美教育センター 指導教授(NAHOの会会長)月森久江先生

長年の中瀬学級での指導と、区内はもとより全国的に発達障害を抱
える児童生徒の理解と指導にかかわる講演会、研修会などで講師を
していらっしゃる月森先生からは、
「脳の仕組み」からひも解く発達障害の正しい理解と対応。
そして、子供の力を伸ばすことによって見えてくる、その子にあっ
た進路選択と保護者の役割についてお話しいただいた。

概要
・発達障害を脳の機能障害からとらえることの大切さ
・行動の原因となる内面を理解することの重要性
・学習の基礎は「聞く力」と「話す力」。
 それはどうやって伸ばせばよいのか解説
・就労へとつながる進路に向けてどう家庭学習を進めればよいか
・親の役割と関わり方で注意すべき点は何か
・子供のどんな力を伸ばすことに重点を置くべきか
・保護者として進路選択をどう捉え、どう準備するか

(3)質疑応答
30分ほどの質疑応答を通して、より具体的な指導方法や
子供へのかかわり方などについてお話しいただいた。

2015-03-07講演会「発達障害のある人の就労を考える」について

2015年3月7日 13時から、細田工務店 杉並リボン館において、発達障害のある方のための就職応援企業 株式会社Kaien 代表取締役 鈴木慶太氏を講師に迎え、講演会が行われました。

参加者は、親の会会員、非会員も含め61名の参加がありました。

就労に向けての発達障害の特性の理解を「この後何が起きるかな?という予測が苦手」、本人と環境の関係性については「役者だけでなく舞台との関係性」などの比喩をもちいて、説明していただきました。

参加者からは、以下の感想がありました。

  •  日々、繰り返し生活していると客観的に見て向き合うことができなくなりがちですが、お話を聞くと新たな気持ちで向き合えるように思います。
  • 社会がオールマイティな人材を求めていることを薄々と感じていましたが、あらためて「そうなんだなぁ」と思いました。まだ小学生なので、得意な部分を伸ばし、短所を認識しつつ補う方法を考えたいと思います。
  • 就労のことはどうしたらいいのか全然わからないのでとても勉強になりました。
  • 子どもへこれから就労を目指していくためのイメージがとてもわかりやすく見えてきたお話の内容でした。
  • 知らない世界のことが一杯でとても勉強になりました。また、民間団体で支援して頂けるところがあり、希望が持てます。具体的な話が多くとてもわかりやすかったです。

以上、講演会のご報告です。

2014-07-06開催 お父さんが語る会について

2014-07-06に、井草地域区民センター 第5集会室において、「お父さんが語る会」が開催されました。

参加者は、18名でした。

会員でお父さんという立場の3名の方が、我が子の事、わが子とどう向き合ってきたかを中心に、とても貴重なお話をしてくださいました。その後、月森先生を座長として、参加者全員での座談会もとても盛り上がり、時間を超過して話が弾みました。安心して本音を語り合える貴重な場となったと感じています。終了後、懇親会も開催され、15名の参加で打ち解けた時間を過ごすことが出来ました。

お母様方にもご参加いただく会として企画したのですが、世話人以外のお母様方のご参加がありませんでした。お知らせ文に不備があったのかもしれないと反省しました。今後に生かしていきたいと思います。

就職した子の親が語る会

2014-10-04に、細田工務店 杉並リボン館2F大会議室において、「就職した子の親が語る会」を開催しました。

それぞれのお子さんの特徴も交えて、就職までの道のりで困ったことや工夫したこと、就職後に困ったことやそれをどのように乗り越えたか、現在の課題など大変貴重なお話を聞かせていただきました。お話下さったのは、次のようなケースの方々です。

・手帳を取得して就労したがその後に苦労があったケース。
・読み書き障害を持つお子さんが一般就労したが、読み書き障害が理解されないケース
・高校を卒業できるかできないか、という時代から専門学校、就職への道のりで苦労したケース。
・早くから将来を見越した高校選択をして、希望の職種につけたケース。

当日は、小学生の保護者の方から、20代後半のお子さんをお持ちの保護者の方まで、更にはお子さんご本人の参加もあり、全部で41名(会員32名・非会員9名)という多くの方々が真剣にお話を聞き、またたくさんの質問もあり、あっという間の2時間半でした。

今回から参加者に簡単なアンケートを実施させていただきました。今後の活動の参考にさせいていただき、より皆様のニーズにお応えできるよう、世話人一同頑張っていきたいと思っています。

杉並区の就労支援体制説明会

今回は杉並区産業振興センター就労支援担当課の全面的な協力をいただき、

  • 杉並区就労支援センター(阿佐ヶ谷 産業商工会館内)
    http://www.job.city.suginami.tokyo.jp/
  • ジョブトレーニング室(西荻窪 勤労福祉会館内)
    http://www.komei.or.jp/km/y-nakamura/files/2014/04/20140416sugitore.pdf
  • ワークサポート杉並(柳窪 杉並障害者福祉会館内)
    http://members.jcom.home.ne.jp/sugi-jigyodan/

の担当者が、それぞれの事業の内容、具体的な支援の流れ、利用者の状況等を発達障害者への支援という観点を中心に説明してくださいました。

就労支援担当課長からも、就労支援センター開設に至った経緯、現状、今後の課題などのお話もありました。

お子さん7名を含む35名の参加者が、講師の方々のお話に真剣に耳を傾けました。

また、参加者には杉並区及び東京都での様々な支援・相談事業に関する資料の配布もあり、大変参考になったと思います。

それぞれの施設の支援対象や支援内容には特徴や違いがあるようです。この日の参加をきっかけに実際に支援機関を訪れてみたいとお話し下さった参加者もありました。

就労のために何が必要なのか、その準備をどのように行っていけばよいのか、早い時期から親子で話し合ったり、実際に支援機関を訪れてみたりするきっかけとなれば嬉しく思います。